秋は多くのものが実る季節です

「あき」の語源は食物が豊かにとれる季節であることから、

「飽(あ)き」からきているとする説、

また稲が「あからむ」(熟)ことからきているとする説などがあります。

農村では収穫期を秋といい、出来秋(できあき)、米秋(べいしゅう)、

麦秋(ばくしゅう)などの語があります。

 

また日本各地の神社では、収穫を感謝する秋祭りがあります。

世界各地でもさまざまな収穫祭が行われます。

 

秋に収穫出来る代表的な食べ物といえば

米、さつまいも、さといも、かぼちゃ、なす、とうがん、松茸、ぎんなん、

栗、梨、ブドウ、イチジク、柿、リンゴ、すだち、ゆず、

さんま、サケ、イワシ、かつお、サバ、しらす、イクラ、

小豆、ゴマ、ピーナッツ、などがあります。

 

動物達にとって、秋は冬への準備として栄養を蓄えなければならない季節です

果実、キノコ、どんぐりの実りはこれを支えています

動物はこれによって皮下脂肪を蓄えます。

 

私たちも秋の実りに感謝して、食事を楽しみたいですね。

 

 

お月見は旧暦の8月15日に月を鑑賞する行事です。

この日の月は「中秋の名月」、「十五夜」、「芋名月」と呼ばれます。

月見の日には、おだんごやお餅(中国では月餅)、ススキ、サトイモなどをお供えして月を眺めます。

 

月見行事のルーツはよくわかっていません。

最近の研究によると、中国各地では月見の日にサトイモを食べることから、

もともとはサトイモの収穫祭であったという説が有力となっています。

それが日本に入ったのは奈良~平安時代頃のようです。

 
 

また、日本では8月15日だけでなく9月13日にも月見をする風習があり、

こちらは「十三夜」、「後の月」、「栗名月」とも呼ばれています。

十三夜には、月見団子の他に栗や枝豆をお供えします。

各地には「十五夜をしたなら、必ず十三夜もしなければいけない」という言葉が伝えられており、

片方だけの月見を嫌う風習があったようです。

十三夜の風習は中国にはなく、日本独自のものです。

 
 

またお月見は旧暦で行なう行事です。

旧暦(太陰太陽暦)は、月の満ち欠けで日付を決めるもので、

現行の太陽暦(グレゴリオ暦)とはシステムが異なります。

そのため両者の日付にはまったく関連がなく、

従って月見の日付(旧8月15日、旧9月13日)も年によって一定していません。 

 
 

最近の月見の日を紹介します。

 

   年   中秋の名月(旧8月15日)  後の月(旧9月13日)

 
  2011年     9月12日     10月9日  
  2012年     9月30日     10月27日  
  2013年     9月19日     10月17日  
  2014年     9月8日     10月6日  
  2015年     9月27日     10月25日  
  2016年     9月15日     10月13日  
  2017年     10月4日     11月1日  
  2018年     9月24日     10月21日  
  2019年     9月13日     10月11日  
  2020年     10月1日     10月29日  

 
 

参考 「お月見のはなし」  
 http://www.sci-museum.kita.osaka.jp/~kazu/tsukimi/newtukimi.html

 

 

「梅雨」は、6月~7月中旬、中国の長江下流域から朝鮮半島、

日本列島(北海道を除く)に見られる雨期のことです。

それほど雨足の強くない雨が、長期にわたって続くのが特徴です。

中国では「梅雨(メイユー)」、韓国では「長霖(チャンマ)」と呼びます。

 
 

ところで、「梅雨」はなぜ「梅の雨」と書くのでしょうか?

「梅雨」は、東アジア特有の雨期で、「梅」も東アジアにしか生息しない植物です。

梅雨の雨は、梅にとって恵みの雨です。

この季節に雨が降ることで、梅の実は大きく膨らんでいきます。

 
 

「梅雨(ばいう)」とは中国で生まれた言葉で、語源には、いくつかの説があります。

●「梅の実が熟す頃に降る雨」

という意味で、中国の長江流域では、「梅雨(ばいう)」と呼んでいたという説。

●「黴(カビ)が生えやすい時期の雨」

という意味で、「黴雨(ばいう)」と呼んでいたけれど、カビでは語感が良くないので

同じ読みで季節に合った「梅」の字を使い「梅雨」になったという説。

 
 

そして「梅雨」という言葉は江戸時代に日本へ伝わり、

その頃から、日本でも「梅雨(つゆ)」と呼ばれるようになりました。

それにも、いくつかの説があります。

●「露(つゆ)」から連想した。

●梅の実が熟し潰れる時期だから「潰ゆ(つゆ)」と関連つけた。

「梅雨」という言葉が伝わる以前は「五月雨(さみだれ)」と言い、

「さ」は陰暦の5月(現在の6月)、「みだれ」は「水垂れ」を意味します。

 
 

また、梅雨期はカビなどの微生物が発生しやすく、食品などの腐敗しやすい時期で、

食中毒などに注意しなければなりません。

でも、微生物は日本の食物の基本となる味噌、しょうゆ、酒、納豆などを作るのに

重要な働きをしていて、これらを上手に取り入れたのが日本文化の1つです。

 
 
 

参考 月向農園 なんでも梅学  http://minabe.net/gaku/kurashi/tsuyu.html

 

 

ママKidsネットワークのHPでは、

食育に関する「ママコラム」の連載をスタートします。

さて、今月のテーマは「端午の節句(5月5日)」。

男の子の成長と幸せを願い、祝う行事です。

 

空に鯉のぼりを泳がせ、家の中には武者人形などを飾って、

粽(ちまき)や柏餅をいただく人も多いのではないのでしょうか。

古くからの風習が1948年に「こどもの日」として定められ、

「子どもの人格を重んじ、子どもの幸福をはかる」国民の祝日となりました。

「端午」とは、もともと「月の初めの午(昔の暦に使う干支のひとつ)の日」という意味でしたが、

次第に5月5日だけをさすようになりました。

 

中国では昔、5月は不吉な月と考えられており、

端午には薬草である蓬(よもぎ)で作った人形を門戸に掛けたり、

菖蒲酒(しょうぶしゅ)を飲んで邪気を払うなど、

さまざまな厄除けの行事が行われていました。

 

それが日本にも伝えられ、7世紀の初めには、

蓬や菖蒲を摘む宮中の行事になっていきました。

平安時代に入ると、5月5日に蓬や菖蒲を家の軒にさすなど、

一般の人びとの間にも広まっていきました。

 

時が経ち、江戸時代になると、「菖蒲」という音が

「尚武(武を重んじる)=勝負」という言葉に通じることから、

端午の節句は「男の子の節句」とされるようになりました。

そして、男の子がたくましく育つようにという願いをこめて、

武者人形や兜(かぶと)、鎧(よろい)などを飾る風習が生まれていったのです。

 

まもなく、今年も端午の節句がやってきます。

広い空でゆらゆらと舞う鯉のぼりのように、

子どもたちが大きく羽ばたいていくといいですね。

 

【おすすめの絵本】

出版社 あすなろ書房
名前 「和の行事えほん」
著者 高野紀子

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「ママコラム」では、月ごとにテーマを設け、伝統行事にまつわるお話のほか、

季節感ある料理のレシピ、おすすめの絵本や手遊びなど、

充実した内容を毎週更新していく予定です。